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レオン 完全版のぴろぴろのレビュー・感想・評価

レオン 完全版(1994年製作の映画)
5.0
観た後の余韻と充実感がたまらない。 映画を観た‼︎という満足度が高い作品だった。
誰かを愛する事を、ずっと封印して生きて来た孤独な殺し屋レオンと、親に愛されずに育った孤独な少女マチルダ。 2人が出会って、唯一無二の存在になるまでを描いた作品。 完璧なキャスト、演出、ストーリー。
稼業は殺し屋でも、純朴な少年のようなレオンと賢くて大人と少女の狭間にいるマチルダ。 未だ幼さの残るナタリー・ポートマンが素晴らしい。 「この人誰だゲーム」が最高‼︎ 2人の心の距離が次第に縮んで行くのが絶妙だから、ラストが余計にこたえる。 そして特筆すべきはゲイリー・オールドマンの怪演。 彼無しでは、今作は成り立たなかったのではないかという位のエキセントリックな汚職まみれの麻薬捜査官を見事に演じ切っていた。
アラブ調のエキゾチックなBGMと哀愁漂う旋律のスティング「Shape of my heart」 最高過ぎる。

愛には色んな愛があって、マチルダは初めて自分を大切にしてくれた大人のレオンに、憧れの様な恋心を抱いたんだと思う。 あの晩マチルダの気持ちに応えなかったのは、レオンが少年の様な大人だからなのでは無く、大人の男性だからこそ。 2人の間には確かに愛があったけど、男女の愛に発展しないからこそ儚くて、痛々しく切ない。
それでも最後にレオンがマチルダに話した言葉は気休めなんかじゃなかったと思う。 心から願ったからこそ、必死に出口を目指した。 あと、あともうちょっとだったのに…
マチルダとレオンの2人にそれぞれ希望が見えた瞬間を表現したような光と、弟とレオンの、そのシーンをあえて見せない演出が秀逸。
レオンが信頼を寄せたトニーが、どうか良い人であります様に。 大人にも優しい人がいると知ったマチルダが、この先希望を持ってしっかり根を張って生きて行って欲しい、レオンが願った様に。
「ここでしっかり生きて行く」その覚悟と決意で、根っこが生えるように庭の真ん中に植えたんだね。
オープニングからラストシーンまで魅力的な映画だった。
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