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カントリーガールのotomisanのレビュー・感想・評価

カントリーガール(2010年製作の映画)
3.1
 BS日映専が特集を組むほどの気鋭の脚本家なんだろうが、何をどう端折ったのか言葉足らずな印象満載だ。おまけに誰が「カントリーガール」やら。しかし、若くて悪くて凄い高校生らが外人観光客を舞妓さんネタでカモる窃盗犯に自主企画闇バイトのヤバさを感じさせてくれて、おまけに、怪しい翁の町家リノベ事業、高校生に持ち掛けること自体どんな脳軟化状態か、あるいは、どんなワルいバックグラウンドの謎表出なのか?キチガイじみた展開も胡散臭く、話のネタとして高電圧的好感、いや、最凶悪の買いだ。
 ま、こんな下地の物語だから田舎娘、おそらく地方出の舞子見習い嬢と高校生鬼太郎君、ネズミ男君の三角関係の縺れがああなってこうなって血ィ見てパクられてとなったはずなんじゃないか?なんだろうが、原脚本があまりの最悪兇悪ぶりで誰かの総スカンを食らったものと想像した。
 そこで、カットにカットを重ねて68分の大出血で決着を付けたわけだろうが、死に瀕しようと「カントリーガール」の看板だけは下ろさなかった事は立派に思う。
 このうえは、残されたこれら断片を想像でつないで意味不明、経由地も決着も不明な物語を観衆各自で創造的に化け物話を繕うしかあるまい。話中何をどう鞘当しようと半年後も、鬼太郎君とネズミ男君は依然詐欺師っぽくつるみ合ってそうだし、お嬢も口をへの字でお勤めに出ているようだし、想像の幅も十分、勝手な筋書き作りが楽しめそうだ。初代の怪物のように「愛もなく何故造った」と三角な三人が非を鳴らすような出来とあれば、あれから十数年、きっと買い手もつくだろう。
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