真鍋新一

私と私の真鍋新一のレビュー・感想・評価

私と私(1962年製作の映画)
3.0
『キングコング対ゴジラ』の同時上映作。なんて豪華なんだ。ザ・ピーナッツの主演映画。生き別れた双子の姉妹。父親がシベリア抑留で死んでしまっているなどの設定が生々しい。

クレイジー・キャッツのメンバーがなぜか本人役ではなく芸能事務所関係者の役なのがちょっと面白いが普通に旅行先で「スーダラ節」を歌う場面はある。ナベプロの顔見世の意図もあるので、中尾ミエと伊東ゆかりと井上ひろしは本人役。ピーナッツの歌唱シーンも「ふりむかないで」ほかふんだんにある。

双子のボーイフレンドで田辺靖雄と西條康彦という細身の兄ちゃんキャラも2人いるのが可笑しい。ピーナッツと10歳も年齢が離れていないのに淡路恵子がお母さん役。フジテレビの社屋でもロケ撮影をしているらしく、今は亡き河田町の社屋の壁に「母と子のフジテレビ」と書いてあるのが大きく写る。

すでに日活で作られていた『可愛い花』を時間とお金をかけてもうちょっとまともに作り直した感じ。でも、ヤケクソ感の漂う『可愛い花』の勢いのほうが個人的には好みだったりする。
真鍋新一

真鍋新一