明石です

クレオパトラの明石ですのレビュー・感想・評価

クレオパトラ(1970年製作の映画)
4.9
「カエサルを籠絡するには普通の女では駄目。天賦の名器、娼婦の手管、聖女の気品、世界一の美貌を持つ女でなければ」というわけで、エジプトを、ローマ帝国の侵略から守るべく白羽の矢を立てられた女王クレオパトラ。しかし彼女があまりの醜女だったので、魔術で整形を施してカエサルを籠絡、暗殺させる話笑。

手塚治虫の虫プロダクションが手がけ、大々的に「フィクション」と銘打った創作物のクレオパトラ。おそらく虫プロダクションにとって「フィクション」というのは、単に歴史を改変するという意味ではなく、好き放題にやるという意味なのだと思う笑。史実が殆ど原型を留めていない、想像力の赴くがままに筆を走らせたような破天荒な脚本だし。アトムもバカボンも出てくるし笑、カエサルがブルータスに暗殺される有名なシーンは、なぜか歌舞伎風にやってるし笑。ともあれ私的にはとても好みの、底抜けに愉快な作品でした。

前作『千夜一夜物語』から引き続き、というか前作以上に性的な要素が濃いめ。もはやクレオパトラの色気を桃色の方面に広げようという不埒な発想から企画が始まったとしか思えないほど笑。子供に見せる気がさらさらないのはわかるけど、登場する女性の大半がお乳丸出しなのは何とかなりませんかね、、(バスの中で見るのが恥ずかしかったよ)。なぜか悪役の肌の色がみんな水死体みたいな緑色なのはすっごく好きだけど笑。あまりにふざけ倒した作風にガハガハ笑いながら見ました。これは間違いなく快作(怪作)ですね。
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