Nowhereman

ピアノ・レッスンのNowheremanのネタバレレビュー・内容・結末

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ポスターのイメージと裏腹に、ピアノとは対極の存在とも言える民族やロケーションが出てきて面食らったが、分かり合える(愛し合える)相手とそうでないものの差は生まれや育ちに関係しないということを理解するには最適な舞台だったかもしれない。

人間関係において相手を理解しようと試みるのは重要なことかもしれないが、それを必要としない関係を前にただ苦痛を味わうだけということもある。残念ながら。圧倒的な感情の前で正しさは力を持たず、登場人物たちはある種の残酷さを互いにもたらすが、彼らがそれぞれに自らの欲で動いた結果でもあるため、程度に差はあれどまぁ仕方ないという気もする。

結末はポジティブな変化を感じさせるが、同時に、海に沈んでしまったかけがえのないものについて(それこそ毎晩のように)思いを馳せずにはいられない
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