佐藤克巳

大人と子供のあいの子だいの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

大人と子供のあいの子だい(1961年製作の映画)
4.0
若杉光夫監督の中編にしてはハイレベルな青春映画の力作。若杉氏を恩師とする浜田光夫が、まだ貧しかった日本の高校進学問題に真正面から取り組んだ少年を見事に演じたが、彼の人生の考え方「俺の事は俺がやる」の原点となった作品。実質デヴュー作になった松原智恵子は、駅前売店の店番で学校を休み進学しない健気な少女役を演じたが、如何にも彼女らしさが出ていた。実際、中卒故に一生涯就職の苦労を味わされて亡くなった従兄がこの年代だったが、その事が痛切に伝わって涙した。
佐藤克巳

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