ペコリンゴ

はだしのゲン2のペコリンゴのレビュー・感想・評価

はだしのゲン2(1986年製作の映画)
3.5
記録。
「あんまりにも軽すぎたんじゃ」

アニメ映画版『はだしのゲン』2作目。前作で描かれた広島への原爆投下から3年後、成長したゲンたちを描く。

前作と同様の感想で、原作漫画の方を読んだほうが…というのが正直なところなのだけど、まぁ原作を知らない方への入門編として前作とセットで鑑賞するってのはアリですかね。

この続編はアニメ版オリジナルキャラクターである政(原作に登場するヤクザ「首切りの政」とは別人)の登場を筆頭にストーリーが結構改変されている。浅く原作をなぞるスタイルの前作と同じ手法としなかったのは好印象。原作ファンの消化不良が解消されるかといえばまた別の話ではあるが、原爆症に蝕まれていく母をどうにか救おうとするゲンと隆太を起点にした一つの物語として、前作ほど原作と比較しての「あっさり感」は感じないかも。

小学生の息子が軽々とおんぶできてしまう母の体重。熱線で顔や手に火傷を負い、お化けと揶揄される少女。親を失い学校へも行けず自給自足で生活する子供達…。年月が経っても人々に大きな爪痕を残す原爆の悲惨さたるや。

世界中の全ての人がもう二度と繰り返してはいけないと考えていることを願うばかりだ。

ちなみにフィルマには記載ありませんが、前作も本作もU-NEXTで配信されてるので気になる方は。もし気に入ったら是非とも原作を。