なんとも重い題材を芸術的要素を交えて扱うスペインらしい映画だという印象を受けた。
この映画は価値観を変えられるというか、揺るがすものだと思った。人それぞれに色々な考え方、感じ方があり、自分の中で固定観念としてあった死に対する思いは、固定的でないというか、ああ、その方向から見ればこう感じられるかもしれない、はたまたこちらの方向から見たらこうだと思っていたけど、それも一概に言えるわけではない、という感じで、この映画によって尊厳死に対する考えが変わったり確立したりというより、わたしとしては、この映画によって柔軟になったという印象。映画が終わってからもしばらく死について考えていたが、結局自分では答えが出せないという結論がでた。それまで自らの中にあったものに疑いが芽生える映画。
身近な人が亡くなったり、死が身近にある人の心には特に響く映画だろう。ひたすら泣いた。
