【コカコーラ】2023年7本目
流石のビリーワイルダー節。
東西冷戦時のドイツを舞台に、共産主義への皮肉を込めた超ハイテンポコメディ。
コカコーラ西ベルリン支社に赴任された主人公はジェームズ・ギャグニーが演じる。
なんといっても彼の演技が素晴らしい。
早口言葉をつらつらと、長台詞を流暢にこなして見せる。
社長令嬢の面倒を見るように頼まれた彼だが、恋多き自由奔放な彼女がなんと鉄のカーテンを超えて東の男と勝手に結婚してしまう。間も無く迎えに来る社長にバレないように証拠隠蔽に走るというストーリー。
何より脚本が良くて、二転三転とする状況の変化に、巧みなビジネススキルで湯水のように湧き出てくるトラブルに対応していく主人公が見事にハマり、周りの登場人物を巻き込みながらリズミカルな演出に持っていきます。
社長の補佐をする男は、命令を受けると必ず踵をならす。
社長が事務所を通るたびに軍隊のように立ち上がる従業員達。
このような細かい笑いもリズムを演出している。
特徴的なのは、登場人物をベルトコンベアのように次から次へと流していき、誰かと誰かの会話が被らないようにしている。
これにより混沌した状況にならぬよう工夫している。
最後のオチもまた見事。
あっさりと巧みにこなす笑いのセンス。
あっぱれです。