■溝口健二監督、京都・祇園の色街で働く姉妹の物語〜■
万亭や芸妓、舞妓のある「祇園甲部」ではなく、数段格下とみなされる「祇園乙部」を舞台。
義理人情に厚く男に従順な姉・梅吉(梅村蓉子)と…
『浪華悲歌』と同年に制作された本作『祇園の姉妹』は、スタッフ・キャストからして、『浪華悲歌』の姉妹編と言えるものであり、伝統的で、男に尽くすタイプの姉(それは、1933年作の『瀧の白糸』でも35年…
>>続きを読む「祇園囃子」が後にあるのでてっきり、そのオリジナル版かと思いきや、全く別物の作品だった。姉は古風な芸子で妹は、現代的で男を敵だと思っている。男を敵だと憎しむため金をしぼりとろうとする。それが男社会の…
>>続きを読む世界に誇る溝口監督ですから機会を作って観てはいるのですが、いつも女性が不幸な映画であまり好きではない。西鶴一代女は途中で観るの止めました。近松物語と雨月物語は良かった。
今回はというと大概胸糞悪い映…
男を手玉に取って生きようとする妹と、男に縋って生きる姉の姉妹の生き方の対比を、京都の祇園の乙部を舞台に描いた(甲部で無い所がミソである)戦前の溝口の傑作。
どちらも、結局男に裏切られ、悲惨な結末を…
なんかもうすごい!
溝口すごい!ってなった。
溝口37歳の映画だそうです。
(脚本家の依田さんは26歳くらい)
おもちゃが悪い話を持ちかけるときに一回だけ映った暗闇の鴨川とか。
終盤の格子戸の外…
このレビューはネタバレを含みます
男性優位の社会で、男性に取り入ったり従ったり生き方しかできず、その不利な立場関係からいいようにされる姉妹。
ラストの「なぜ芸妓なんて仕事がこの世にあるのだ」、こんな悲痛な叫びがあるだろうか。
…
©松竹 大谷