らむね

潜水服は蝶の夢を見るのらむねのレビュー・感想・評価

潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)
5.0
過去が遠ざかり思い出の灰になろうとしている

障害を持つことになることが
あれば、きっとこの言葉がしっくりくるような気がした。

想像力が豊かでないし
記憶力もない
大した過去もない
私は蝶の夢を見れるだろうか

現実の世界を、カメラのレンズからのぞいているような世界
自分の参加はごくわずか

医者も看護師も見舞いも来ない
ゾッとする日曜日
テレビのチャンネルは数時間
変わらぬまま
それが毎日続くのだろう

医療スタッフは
現実と病院の橋渡し
その二つをつなぐ役目


フランスは恋愛に寛大で大人が恋愛することが自然なことって感じ

それは障害があっても同じ

最強のふたり といい
重度の障害をテーマにしてるけど
悲愴感なく、タブーにもせず
お涙ちょうだいでもなく

きちんと美しく人生を生きた人として、特殊な環境であれども
人間的に生きることは可能で
絶望ばかりではないんだと
教えてくれる

しょぼい想像力と記憶力、
地味ながらも
生きた歴史を駆使して
私も蝶になれるだろうか

まず 今からでも 退屈な毎日で
蝶になろう
らむね

らむね