odyss

炎の戦線 エル・アラメインのodyssのレビュー・感想・評価

3.5
【戦争を描いた現代のネオレアリズモ?】

BSにて。

第二次世界大戦期に、北アフリカで実際に行われたイタリア軍と英国軍の戦いを描いています。
といっても、派手な戦闘シーンは多くなく、砂漠地帯で孤立したイタリア軍は防戦一方、食物も水も不足。ひたすら耐える毎日。そこにやってきた新入りの大学生(志願兵)の目を通して戦争の悲惨さが描かれています。

中尉や曹長など、上官がいい人ばかりですね。新入りをいじめたり、鉄拳制裁を食らわしたりといった場面は全然ありません。苦しい中での彼らの人間味が見どころです。

でも、英国軍に降伏するよりは死んだほうが、というあたりは日本軍と共通のメンタリティが感じられるかな。

イタリア軍はすでに指令系統もいい加減になっていて、撤退する場所すらしっかりと伝達できていない。負け戦ってのはこういうものでしょう。

いずれにせよ、戦争はもうこりごりという気持ちが強く残る映画です。
BSで終戦記念日の翌日に放送されたのは、そういう意図からかな。
odyss

odyss