ゆん

憎しみのゆんのネタバレレビュー・内容・結末

憎しみ(1995年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

記録用



フランスで暴動が起き、移民の仲間が重症を負った。そして暴動の際に警察が紛失した拳銃を手にした…

移民の若者たちの苦悩や苛立ちが感じられる映画だ。粋がってバカなことをしでかす友達、でも見捨てられずにいる。また同じ穴のむじなだと感じ、この移民たちのいる現代という地獄から抜け出したくても抜け出せない。なんとか手に入れた自分の居場所も仲間に焼き払われる。それでも、憎しみは憎しみしか生まない、一線を超えちゃいけない、と冷静さを失わず仲間に説く。仲間もわかってくれて、拳銃を渡してくれた。そんな時に起こる悲劇。仲間が撃たれた。

彼の冷静さや誠実な気持ちを憎しみや衝動が覆い尽くす。

まだ大丈夫、落下しながら男は呟く、まだ大丈夫、そう問題は着地だ。

フランス映画で白黒、なかなかに見る気にならない作品なんですが、見始めると引き込まれるパワーのある作品だった。音楽のおしゃれさとかはあんまり注目してなかったけど、確かにダンスだったりDJだったり、、、そういった点も注目すると面白いかもしれない。

でもそれよりもおしゃれなコマ割りというか流れにグッとくるものがあった。特に最後の何度も出てくる落ちる男性の話と1人どうにもできず見つめる青年のアップで終わる演出は絶望感があってよかった。

憎しみは、人間としての正しい気持ちや全てをぶち壊すってことがよくわかった。表題の理由も最後で理解した。すごく良い映画だ。
ゆん

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