イペー

憎しみのイペーのレビュー・感想・評価

憎しみ(1995年製作の映画)
4.3
最初から世間に背を向けられているなら、精一杯の虚勢を張って、こちらから世間に背中を向けてやろうと。
マイノリティの三人が見せる空意地はどうにも頼りないし、危なっかしい。
尖らせた感情にはやり場がない。権力やシステムに向かっている様で、若さ故に全方位に向かってしまう。
だけどいくら暴れてみたって、所詮は分が悪いゲーム。彼らだって十分承知している。
ルールを決めているのは自分達じゃないから。
"このゲームから降りる方法は? "
疲れ切った彼らが銃を手に叫んでも、呼び掛けに応じる声もない。たとえあってもゲットーの騒音に掻き消されてしまうだろう。

モノクロに切り取られた無情の世界。
ラストの余韻が、重たく心にのしかかるのでありました。
イペー

イペー