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the EYE 【アイ】のunkoのレビュー・感想・評価

the EYE 【アイ】(2002年製作の映画)
4.1
「カルマ」を機に再観賞。アメリカでリメイクもされた。
角膜移植手術をして、幼少期から盲目だったウォン(アンジェリカ・リー)は初めて見る世界に感動。
しかし次第に妙なものが見えているのでは…と疑心に思い…。

角膜手術から一週間後に自殺した事件を元に、そこからホラー話に膨らませた。

小さな頃から失明していて、光を取り戻した後も視認している世界が全て真実だと思っている出だしが面白い。
しかも治療の流れとともに、視界が段々と鮮明になっていくにつれ疑惑を抱く。ヒタヒタとこちらに迫ってくる雰囲気作りは見事。
その治療の段階に応じて、霊現象も変化させていく。
立たせる、浮遊させる、素通りさせる方法をパワーアップさせたような見せ方をしているものもあり面白い。

これだけでも1本の映画になりそうだが、本作はもう1つ仕組んでいて、後半の展開へ繋がる。
しかも最初の伏線と終盤の展開をクロスさせて、エンディングへ向かう構造はなかなか。

間違い探しみたいな感じで幽霊が映り混んでいるのを探すのも昔は気づかなかったので、再観賞してよかった。
また本作DVDだとゴーストチャプターと呼ばれる幽霊シーンにジャンプできる機能があります。

最期に監督であるパン兄弟はこの作品で、まず自殺防止の啓発、そして失明者が光りを取り戻すことが本当に幸せかどうかを表現の中心に据えたと語っている(来日記者会見)。
だが私は後者の物語結末には否定派で、インインとの出来事を考えると後退している印象を受ける。
それも好みの問題なので、どちらにしろ面白い映画でした。
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