厳冬の団地が舞台となり、そこに住むさまざまな人々が運命の投げ掛ける問いに翻弄される姿を通して、愛にまつわるメッセージが浮かび上がる。各話、ラストでなにか劇的な変化が起きたり明確な希望が語られるわけではなく、その後もただ淡々と生活が続いていくことが示されるのは、残酷でもあるが、でもやっぱり人生ってそういうもんだよなぁとも思う。
舞台設定が象徴的で、部屋の数だけそれぞれの人生と生活があって、人が壁一枚隔てた場所で他の人が知らないいろんな問題を抱えながら生きている現実と重なる。
一切説明的でなく、些細な会話や演出の技巧によって登場人物たちの背景や関係性、心の動きが正確に描写されるのがすごい。