Masa

デカローグのMasaのレビュー・感想・評価

デカローグ(1988年製作の映画)
5.0
ドラマとは思えない重厚なシリーズ
これから毎年見返すのもありなんじゃないかというくらいとんでもないドラマでこんな企画はもう見られないのかもしれない

一話 いきなりトップクラスに好きな話
子供の自然な演技と顔のアップの力強さ、青のインクが滲むシーンが美しかった

二話 個人的には許しの話だと思いました。とても優しい話で1番宗教色が出ている気もする

三話 これも大好きな話、いい大人が嘘をついてイヴの夜に連れ回す話でこの上なくロマンチックで苦い話

四話 親子をテーマにした中ではかなり際どい中身ではあるけど個人的にめちゃくちゃ納得できるラストの持って行き方でこれも良い

五話 映画で見たことのある話で画面のクラクラする感じとテーマから1番見た後に疲れる話、しかし昔ほどの感動はなかった

六話 これも映画になっている話、この中身で愛についての話というタイトルなのが良い。この劇場版から監督のファンになったのでこれまた大好きな話

七話 最高でした、打ちのめされる。母と娘と娘のとんでもない愛憎劇でそばで見るしかない男たちの無力感も良かったし巻き込まれる娘の演技とラストも凄かった
暫定NO1の話

八話 ポーランドの過去についての話
自分の人生をめちゃくちゃにしてしまった些細な誤解や正解のない選択がゆっくり溶けていく話しながらもトーンとしては重め

九話 男は世間から求められることに答えるには弱すぎるし脆すぎる、妻は愛は心にあると言ってくれたのが良かったけど
最後は生きてればやり直せると言うような救いは感じられた

十話 エンタメ色のかなり強い話だった。ラストカットの連作にはにんまり、遺品をきっかけにこの笑顔が見られたならまぁ良かったのかもと思わされてしまう

それぞれの話が全く違うテーマに語り口、さらに撮影の雰囲気も違いながらしっかり監督の空気感は統一されている
そして何よりこんなに重厚で疲れそうな話なのに何で普通に面白いんだ!
本当に天才でした
Masa

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