幽斎

パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会の幽斎のレビュー・感想・評価

4.2
イントロダクションからするとガチガチのサイコ・スリラーですが、本質はド変態炸裂の・・・コメディ・サスペンスとでも言うべき作品。冒頭から不穏な雰囲気でスリラー感満載なのですが、どこか空気感が違う異様さが特長で、サスペンスを見慣れてる諸兄でも大きな?が浮かぶ展開が良い意味で笑えます。物語は1つ大きなインパクトを迎え、ここだけならアベレージ5.0を付けても良いほどで、其処から一気に疾走していくのですが、主人公が数多くスリラーを見てきた私でも中々の人物で、これだけ清々しいサイコパスは初めてかも。

もう1人の主人公との対比と設定が絶妙で、アブノーマルな流れはエア○○○のオンパレード、もし彼女と一緒に見ているのならば、此処で後悔100%でしょうね(笑)。これは面白い話には3段オチがつきもので、最初にフリで作った流れにオチでガクンと違和感を演出する事で、聞く方は笑ってしまうモノですが、それを劇画として忠実に再現しています、と言うかブッ飛んでます。2度目のインパクトで唖然としていると、更なる衝撃が待ち構えており、この3本目のインパクトが享受出来るかどうかが本作の評価の分かれ目でしょう。私的には主人公を狡猾と捉えて観る方が良いと思います(思いたい)。

Filmarksのアベレージが3.1なのも納得ですが、私は他の作品にない本作だけの独自なドライヴ感溢れる展開が心地よく、勇気をもって高評価を付けたい。実は冒頭から結構伏線は絵的には丁寧に作られており、ミステリードラマの「放送禁止」的な、2度観ると「アレがそういこう事か」と分るのですが、純然たるスリラーでは無いので、割とどうでも良いです(笑)。似てる作品は文句無し「シベリア超特急」でしよう、Filmarksではジャンルがアクションに成ってますが、どう見てもコメディですね。主演のDavid Hyde Pierceの独り舞台的な演技も素晴らしく、本作はこの人在りきな作品です。肩の凝らない、頭を使わないサスペンスとしては良く出来てます。2回は画面に向かって「えっえーーーーー!」と成る事を保証します。お暇でしたらご覧ください。
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