のんchan

ボクサーののんchanのレビュー・感想・評価

ボクサー(1997年製作の映画)
3.8
『マイ・レフトフット』『父の祈りを』に続き、ジム・シェリダン監督🇮🇪とタッグを組んだダニエル・デイ=ルイス。
題名の通りにボクサー役だけど、いや〜非常に重いお話。

北アイルランドの首都ベルファストが舞台。キリスト教カトリックとプロテスタントで住民の深刻な対立が続いてる。その中でも穏健派と過激派に分かれて対立していて、お互い血で血を洗う🩸殺戮を繰り返していたころの物語です。


かつてボクサーとして有望視されていたものの、IRAの元テロリストとして投獄されていたダニー(ダニエル)。14年の刑期を終えて出所するところから始まる。
出所する日の朝もシャドーボクシング🥊をしている。
《この役の為、プロボクサーと週3回のスパーリングを3年続けたというダニエル。この作品もやはり本物感が漲っています》

ダニーは32歳になっていた。出所後に元のIRA仲間と付き合わず、真っ当に生きるため手造りのボクシングジムを始め、プロボクサーとして再起を掛ける。しかし、過激派の元仲間が放っておくはずはなく...

10代で愛し合っていたマギー(エミリー・ワトソン)を思い続けていたが、自分を待たないよう一切連絡を経っていた。その為、マギーはダニーの親友と結婚し1人息子がいる。
激しい抱擁等がほぼないものの、返って心底愛し合っている2人の思いが痛いほどに伝わってくる💞

終始暗く気持ちが沈みそうになるものの、途中、本格的なボクシング🥊試合が映し出され、集中する見どころはあります。

ダニーの台詞で「人を殺したくはないが、この街は人を殺したい気分にさせる」はズシリと重かった。復讐は復讐を生む。いつの時代でも変わらない。

監督は憎しみの感情で良い事は起こらない。抗争のない未来へ繋げたいというメッセージを込めているように感じた。
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