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続天狗廻状 刃影の巻のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

続天狗廻状 刃影の巻(1940年製作の映画)
2.8
前作の「魔刃の巻」は見つからず。ただ続編である本作は「鞍馬天狗 天狗廻状・續篇」でvhsがあるので鑑賞。本作観るために先に原作読んだ。
一応再生すると前作の粗筋が流れるが、本作だけ見てもイマイチ「天狗廻状」の面白さが伝わりにくいのが難点。「天狗廻状」の面白さは飛鳥の如し鞍馬天狗の活躍より、人間模様にあると思う。
幕末志士の桂と元幕臣の近江守の関係と桂の思惑。原作にはある鞍馬天狗の園(映画だと園江)への恋。鞍馬天狗と青年の村尾君の関係。鞍馬天狗を狙う近江守の双子の弟の左近。園の父への葛藤。舟曳休之助を鞍馬天狗に殺されたお登世。新選組。原作は明らかヒーロー活劇より人間関係に重心を置いてる印象。

映画版でもある程度の人間関係を描くのは避けられない。特に鞍馬天狗と村尾、園と凶暴な左近。だけど続編なのもあって村尾が鞍馬天狗を憎む理由とか今作だけだとイマイチ掴みにくいし、各キャラクターの葛藤の描写も伝わりずらい。
原作後半の鞍馬天狗が狙われる重要な場面も削っているし、「天狗廻状」のキーパーソンの一人の桂の描写なんか大幅に減ってるし、何故か原作「天狗廻状」に登場しない杉作と新吉が出てる(まあアラカン鞍馬天狗はヒーローのイメージなのでそれはいいか)

映像場面は勢いのあるクローズアップの演出や一部の主観的なカメラが娯楽映画の醍醐味を出す。
あと序盤は鞍馬天狗が銃撃隊とピストルで戦う場面では西部劇的なアクションに近い見せ方なのが、時代劇では新鮮だった。勿論基本は殺陣を主軸とたアクションがほとんどだが、それもあって真っ先に印象に残るだろう