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シルビアのいる街でのleylaのレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
3.8
なんて、不思議な映画体験。
“彼”が誰で何をしているかは何も語られない。ストーリーがない。ゆったりした展開に最初はイライラしたけど、なぜかずっと観ていられる。

いつしか初夏の陽射しを浴びながら、街を散策している気持ちになってくる。

何も起きなくても映画は成立することを体感した感覚です。

彼は、6年前にこの街で出会ったシルビアを探しているらしい。見掛けた女性をシルビアと思い込み、ひたすらストーカーする。そこは気持ち悪い。

あとは、カフェやトリムの停留所のベンチで、女性たちを観察してスケッチする。たったそれだけ。トリムの窓に映る彼女が印象的だった。

これだけ何も起きないと、いろんなことが気になり、見えてくるものもある。

街の人全部が役者かエキストラ?自然さが完璧すぎて怖いぐらい。

人の足音、話し声、街の喧騒がそのまま劇伴になっているのも心地よい。

ストラスブールの街も人も美しくて、もっとこのまま街を眺めていたいな。
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