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シルビアのいる街でのmareのレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
4.0
ストーリーも主人公の動機も些細なことでしかないが、純白の輝かしいほどの街並みのロケーションに美女ばかりが映り込むからこうした要素のみでも映画としての満足度は非常に高かった。風景、そして歩くだけで魅力的に見えてくる人々のこうした関係性はジャック・タチのプレイタイムにも通じるものがありそう。何と言っても多幸感、眼福、ひたすら眼福。何も起きないという理解ではこの映画の最大の魅力を放棄してしまう。ひたすらに人々の息遣い、迷宮のように入り組んだ街の風景はそのまま彩りある彼らの表情と同化してさまざまなドラマを想像させる余地を与える。ストーカー映画ではなく観光映画としての余白の方が遥かに強く、魅せられる。
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