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シルビアのいる街でのkojikojiのレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
3.6
2007年 スペイン/フランス映画
監督はホセ・ルイス・ゲリン、
 シルビアを探す男(グザヴィエ・ラフィット)、シルビアに似ている女(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)この彼女、コロンブスの子孫らしい。

 フランスの古都ストラスブールが舞台。
 1人の青年がかつて出会った女性シルビアの面影を求めて想い出の街をさまよう姿を静謐の中に、ゆっくりと詩的な音響と映像で描いた作品。

 6年前に出会った彼女を探す。それだけで充分ロマンティックなストーリー。大袈裟な感動を求めるような映画ではないが、観終わった後、静かに心の奥底に生き続ける忘れられない映画になるような気がする。

 彼の視線で街を彷徨い、彼女を探す。
 彼の視線が捉える「ells」(彼女達)はほんの数分の視線の先でそれぞれがそれぞれの物語を持っているように映される。彼女達の演技がいいし、カメラワークが素晴らしい。
 
古都ストラスブールの街並みは美しく、趣がある。
 街の喧騒に人の声は極力抑えられて消されて、さまざまな足音が音響の強弱を作る、詩的な効果音になっている。シルビアに似た彼女は彼を振り切るようにどんどん歩いて行くが、青年はひたすら彼女を追う。その二人の足音が古都の石畳に響いてなんとも言えない雰囲気を醸し出す。
そしてついに二人が言葉を交わす。
   
 ほとんど会話がない。ほんの数分の間、言葉を交わす青年と彼女。その彼女の言葉と仕草がすごく可愛い。(これは余談)

 キャッチコピーは「気絶するほどロマンチックな理想の恋」
 それは実はこの映画で思い描くあなたのラブストーリーではないか?

 2022.11.16視聴-507
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