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シルビアのいる街でのkittoneのレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
5.0
個人的偏愛映画。
街中でキョロキョロする主人公の視線の対象が目移りするように切り替わっていき、またときには何度も同じ人物を見たりするのが、ユスターシュ『ぼくの小さな恋人たち』を思い出させる。
路面電車が走る道路の向こう側にいる人物を眺めるとき、電車の窓ガラス越しにその人物をとらえながらも、窓に反射して映し出される街中の様々な人々の姿が入り乱れる様は、まさに幻想ってかんじ。
リアリティの積み重ねによって、どこか異様で幻想的なものを画面に映し出す好例。
すごい。震えた。
幻想的というのは、ただただ非現実なものを映画に登場させることではないと教えてくれる。
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