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シルビアのいる街でのyuriaのレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
4.6
これは素晴らしい。奥の構図はまるで小津安二郎のような静寂を潜めている。ただシルビアという一人の女性を追い求め、町中の女性を観察し、スケッチし、シルビアかもしれない女の人に声をかけたくてもなかなかかけることができず尾行を始める一人のイケメンストーカー男の話ではあるのだが、これがあまりにも美しい。街並みもそうだし、無駄を省いた透き通った空気が映画を優しく包み込み、風は女性の髪を神秘的になびかせる。叙情的な音(車や足音、雑音)が静寂な日常を色づけることなく見守り、わたしたちは気づけばシルビアを共に探すような迷宮に落ちていくのだ。
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