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シルビアのいる街でのHsのレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
3.0
冗長な印象は受けるが傑作だと思う。
冒頭の闇と光。エリセは夜明けとしてそれを使ったが、ゲリンは行きずりの光を闇に泳がせてみせる。ともに美しいだけでなく、作品全体を象徴する素晴らしいオープニングシーン。ゲリンはその直後も印象的に撮る。主人公を一人部屋で佇ませる。ただベッドに座っているだけ。否が応でも主人公の表情や動きに視線が集まる。十分観客を引き付けたところでカメラを切って角度を変え、やっと動きが出始めた所で主人公が画面から消えて、掃除婦の台詞が沈黙を破る。寒色で固められた室内と対比される暖色の街並み。ここでも室内とは全く違う意味で否が応でも動きに注意が払われる。主人公が建物から出てきて画面から消えていっても、カメラは街に佇み続ける。一体これから何が写るのかという緊張感がある。
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