一人旅

タブウの一人旅のネタバレレビュー・内容・結末

タブウ(1931年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

F・W・ムルナウ監督作。

南太平洋の島を舞台に青年と少女の禁断の恋の行方を描く。
明るく開放的な島の外見上の雰囲気とは対照的に、古来から残り続けるタブー(戒律)が二人の関係を引き裂く要因となっていく。
ストーリー的には悲劇だが、愛の純粋な追求と同時に島の旧い生き方から脱却し新しい生き方を模索しようとする二人の姿は希望的でもある。
ラストシーンで少女の乗った帆船を懸命に泳いで追いかける青年が、ついに力尽き暗い海の底へ静かに沈んでいく様子が切ない。青年を殺したのは海や島、そして神の名のもとに定められたタブーではなく、不変を望み続ける島の人々だった。
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