りょうすけ

タブウのりょうすけのレビュー・感想・評価

タブウ(1931年製作の映画)
3.0
「タブウ」

F・W・ムルナウ監督が怒キュメンターの父ロバート・フラハティと共同執筆したドキュメント仕立ての南国映画。ポリネシアを舞台とし、中国人系と現地のポリネシア人(しかも全員素人)によって作られたムルナウの遺作である。

ムルナウらしい映像のきめ細やかさや神秘性は皆無。序盤はムルナウ映画とは思えないほど明るく、違う監督の作品を観ているのかと思うほど。一見すれば、2人の男女が禁忌に逆らい、「愛」を求めた神話のように捉えることも出来るが、それは流石に拡大解釈すぎるか。

序盤の方に何分にも渡る現地民たちの儀式風景があるのだが、「モアナと伝説の海」のような雰囲気があってすごく楽しい。女性の半裸シーン(民族衣装)やサメによるパニックシーンは私が観た中で最古。特に後者に関しては「世界最古のサメ映画」である可能性は高そう。
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