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花とアリスのaのネタバレレビュー・内容・結末

花とアリス(2004年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

とても面白かった。スカウトされ、モデル事務所に所属するアリス。落ちた時の電話の感じや、受かった時の喜びを噛み締める表情は、同業者として共感するものがあった。あの歳で、「芝居の中の芝居」(少し誇張して演技してるけど、実際にはそういった演技をする子役もいる)(先輩との会話でとぼける時)と「芝居」(ただそこにいる)(普段のアリス)を使い分けられる蒼井優さんは本当にすごい。敬愛する岩井俊二監督作品。リリィシュシュやPiCNiCのようにダークな世界観ではないが、すべてキラキラしているわけでもない。だから惹かれる。物語の構成が巧妙で、どんどん引き込まれる。花とアリスが、存在しないはずの先輩の記憶を互いにでっち上げていくのが面白かった。思春期特有のすれ違いも、自分の高校時代を思い出して切なくなった。一番印象に残ったのはオーディションで、紙コップとガムテープでトゥシューズを作り、バレエを踊るシーン。バレエ教室で撮った写真も本当に素敵だった。岩井さんの柔らかい光の捉え方も好きだ〜説明しすぎず、登場人物の行動で出来事が伝わるのがすごいと思った。この頃の蒼井さんを残してくださり、本当にありがとうございます。
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