WAR太

花とアリスのWAR太のレビュー・感想・評価

花とアリス(2004年製作の映画)
3.7
花とアリスと奇妙な友情の終わりと青春

いやぁ、この時代ならではのいい邦画を見ました。
ちょっと荒いフィルムの感じとかちょっとダサい私服の感じ化粧の感じ、ロケーション、台詞回し。
2000年代の邦画の良さが詰まった一作だと思います。
アニメ版の花とアリス殺人事件から見たのでこれはその未来だと思うと少し物悲しい話ですね。
記憶喪失にさせられた男の事の三角関係を描いており、その中で部活や芸能活動、上手くいかない日々が描かれていてこの2024年の現在でも目新しい青春模様の描かれ方をしていると思います。
主人公花とアリスを演じる鈴木杏と蒼井優の空気感もまた良いですね。
良い意味で美人過ぎない等身大の学生って感じ。
二人の出会いから三角関係、そして文化祭のシーンやクラシックバレエのシーンなどに繋がりラストを迎える起承転結が結構はっきりしていて何となく良かったなって感じじゃなくてバレエのシーンや観客が居ない中で行われる落語のシーンなど明確に良かったシーンが多かった印象です。
監督は男性で結構な大人なのにこうして女子学生のリアリティの有る感じが描けるのはかなりの力量を感じます。
岩佐監督作品他のも見てみたいです。

そしてサブを固める演者の方々が阿部寛、平泉成、広末涼子、大沢たかおなど今見るとかなり豪華なのが面白い。

映画館で見れたらもっと良かったんだろうなと思える一作でした。
いつか何年後か記憶が朧げになった頃また見たいと思います。
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