花とアリスがつく嘘で、ある一人の男の子の思考や感情が支配されていく。
まるで彼女たちが作り上げた妄想の世界を見ているようだった。
彼女たちの嘘に翻弄されながら生きていく中で、男の子自身に自然な感情が芽生えるところで、この作品が色づきはじめる。
男の子の感情の動きとともに描かれる強い雨がとても印象的だった。
夢と現実をさまよいながら少しうとうとしながら観ていたので、学生の頃、友だち数名とやってた交換ノートのことをふと思い出した。
一節ずつストーリーを書いて繋いでいくというものだった。
自分が繋いだストーリーが次に自分の手元に回ってきたときには、予想もできない展開になってたのが楽しみで、自分も友だちを驚かすような変化球を描いて次へ繋いだ。
あの話は終わりを迎えぬまま、どこに行ってしまったんだろう。
この映画が公開されたとき、学生だったのだけど
少し時間がたっていまこの作品に出会えてよかった。