みとも

バトル・ロワイアルのみとものレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
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 自分が初めてこの映画を見たのは2011年で、今から9年前、公開から11年後のことだ。監督の名前を意識して映画を見るようになった頃だったが、「リアリティが無い」なんてことを偉そうに言ったと思う。
 確かに荒唐無稽ではある。だが今回見返したら、リアリティの有無や設定の粗をあげつらう余裕はなかった。“上”の世代(そこに自分が含まれていないとは言えない)が理不尽を強い、ツケが“下”の世代へ回っていると考えると、この映画がより生々しく、切迫したものに思えたからかもしれない。これは「現実の日本がディストピア化した」というような話ではない。
 凶悪殺人やバスジャックは自分も擁護しないし、援助交際も本人の意志であるのなら批判する筋合いはないだろう。だが、「近頃の若者」の分からなさに対して、担任教師(=ビートたけし)や秋也(=藤原竜也)の父親が分かろうとしているとも思えない。自分もまた今の中学生たちから「お前に何が分かる」と言われてしまうだろうか。
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