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バトル・ロワイアルのkaneのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
1.0
てっきりコメディかと思って観てたらどうやら違うらしい。

もちろんそれには理由がある。何の訳もなくそう思ってたとしたらとんだ頓知気やろうだ。
以下に列挙していこう。
・BR法の設定があまりにも雑
この法律の必然性が説かれていないため、殺し合いの目的、なぜ1人だけ生き残れるのかなどが不明。ただのサバイバルゲームに成り下がり、メッセージ性は抜け落ちている。
・BR法のルール説明ビデオがふざけている
ここでコメディだと確信した。ガイドのお姉さんがハイテンション。グロテスクなことを明るくいうことでサイコ感を演出したいのだろうが、BR法は仮にも公にされている法律なはずだ。倫理的に考えてあまりにも可笑しい。つまり、この作品はコメディだと親切に示唆してくれている。
・主人公2人の武器が鍋の蓋と双眼鏡
ハズレがあるとはいえ鍋の蓋って…。ほ〜ら、やっぱり笑わせにきてる。(失笑だが)他の生徒たちは皆それなりに使える武器なのになぜか主人公たちだけがハズレ。言葉を失う。
・頭に斧が刺さった生徒ヘラヘラする
これはいくらなんでもやりすぎだ。そして頭をかち割った当の本人が「大丈夫か?」って…。このシーン以外を取ってみても、リアリティは皆無。
・人物描写が手抜き
主人公+αを除いた登場人物はパッて出てきてパッて死ぬだけ。脇役は申し訳程度に死に際、良い感じセリフを吐く。薄っぺらすぎる。銃持った怪しい転校生に簡単に着いて行ったり、好きだの嫌いだの呑気な話で盛り上がったり…中三と言ってもそこまで安易な行動はしない。
・取って付けたような音楽
登場人物が死ぬごとに、ここで悲しんでくださいと言わんばかりの音楽ドーン!!
恐怖を煽るためのクラシック音楽ドーン!!
・謎の転校生たち、最後まで謎のまま
彼らはなんのために参加してきたんだ。一人はまだ百歩譲って許しても、もう一人は何者だったんだ。殺し合いと言いながら、彼が一方的に殺戮する構図になってしまっている。
・北野たけし(ビートたけし?)なぜか決定権を持っている
こいつもいったい何者なんだ!なぜ勝手に法律を変えられる⁉︎しかも三人生き残ってるがな‼︎一年の時の担任らしいけどこの学校はクラス替えないのか?
・脈絡のないラストシーン
???

途中から笑どころが見当たらなかったため、これはコメディではないと気づくことができ態度を改めたが、それにしても酷いと言わざるをえない。
演技も決して褒められるものではなく、演出にしろ脚本にしろ全体に置いてあまりにも稚拙すぎる。

恐らく深作欣二監督はラストの10分に言いたいことの全てを凝縮しているのだろう。それまではおまけ程度で、ラストへのフリなのだと思う。
また、バトルロワイヤルは学校生活のメタファーなのだろうが、捉え方があまりにも短絡的すぎる。だからあのメッセージに繋がるのだが、そんなの余計なお世話である。
頑張ったらどうにかなってしまうのはフィクションの中だけだ。
kane

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