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ヴィオレット・ノジエールのmrhsのレビュー・感想・評価

ヴィオレット・ノジエール(1978年製作の映画)
3.5
シャブロルの作品はほとんど似たりよったりなのか?奇妙な味わいの安酒のような映画である。

誰が言ったかフランスのヒッチコック。悪口ではなく事実として、この緩み方はヒッチコックではあり得ないだろう。

せっかく省略したところを律儀にフラッシュバックで説明してしまうわかりやすさ。この回想場面の陳腐さに腰が抜けるかと思った(ベタなハイキー、そして明らかに子供には見えないイザベル・ユペール……)。そして妙というより下手に近い編集。2時間という尺はどう考えても長い(80分ぐらいにはなりそう)。

物語内容もユルユルで、どうして娘の奔放さを父親、母親は見逃していた?とかツッコミ出すとキリがないのだが、この弛緩した絵葉書のようなシャブロルの作品は不思議とクセになる。大したもんじゃないのだけれど。だからこそ1回限りの特殊上映(この作品を上映したのは快挙だが)ではなく、シャブロルの60年代〜70年代の作品は簡単に見られるようになるといいのだが…。
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