奈落

ヴィオレット・ノジエールの奈落のレビュー・感想・評価

ヴィオレット・ノジエール(1978年製作の映画)
5.0
上映企画『フランス映画と女たち』より、黒ユペール様こと『ヴィオレット・ノジエール』

親から干渉され続ける狭い家、メイドしか事情を知らないホテル、そして牢獄、箱から箱への移動(トークショーより)という一貫された窮屈さを知り、何とも言えない鬱屈さを抱えて溜め息。
それと友達と指輪の話をする場面があったけど、彼氏からもらったと聞いた時のユペ様の返答に人間性を感じた。友達の会話の中で出てくる、誰にも気づかれずナイフでスッと切るような一言が切ない。
実在したヴィオレット・ノジエールと同じく、この映画も誤解を招きやすい。映画によく多用されるテンプレな語り方はそろそろ限界があるんじゃないかな💦実在した事件に介入していく映画って時代背景とか多角的に知識を頭にブチ込まないと、見る側は詰みそう。今までと同じ映画の見方するなら、感想もつまんない、三流、パパ活とかにそりゃ逃げる。なんかそういう自分の無力さを感じた。そのタイミングで、充実した冊子を無料で配ってくれるんだからありがたい。
ユペ様好きな人の真価が問われる映画でもある。
あとシャブロル目当てでこの映画に臨むのは向いてないかな
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