みじかくも美しく燃えのヤマナカのレビュー・感想・評価

ハインリヒ・フォン・クライストの最期を思わせるような結末へ向かって、草木を取り込んだ、豊かで、しなやかな画面が続く。愛する人の肌に触れるときのためらいと快楽、太い太い樫木に結わえ付けられたロープを渡ってゆく柔らかい足先、白い敷布にマスカットやパンやチーズ、葡萄酒を並べたピクニック、クリームにつけて貪るベリーの実、小川の川上から流れてくる「許してくれ」の紙片……シクステンの友人である軍人の訪いと、その同性愛的まなざし……