ナーガ

パピヨンのナーガのネタバレレビュー・内容・結末

パピヨン(1973年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

初めて観たのは40年以上前で、中学生か高校生くらいの頃です。テレビ放送でした。スティーブマックイーンに初めて出会った映画でした。私がスティーブマックイーンと脱走もののファンになるきっかけの映画です。
新型コロナで出かけられないので、英語の勉強になるかと思い、DVDソフトを引っ張り出して来て久しぶりに観ました。
初めのうちは英語字幕にしたり日本語字幕にしたり何度も同じフレーズを聞いたりメモしたりといろいろやりながら観ていましたが、そのうち物語に引き込まれて、途中からは普通に英語音声日本語字幕で観ました。若い頃にテレビ放送で見たときは、カットしてあったにも関わらず長くて退屈に感じる部分もあったように記憶していますが、今回は思っていたよりも何故か短く感じました。

1番の見どころは一度目の独房でしょう。ドガからのココナツの差し入れを発見されて、差し入れた人の名前を看守に問われても言わなかったために、独房を常時真っ暗にし刑期を伸ばされてしまいます。そのうち歯が抜け、精神状態も最悪になり、どうしようもなくなってついに看守を呼んでその名前を言いそうになるのですが、ギリギリのところで思いとどまる。
ゴキブリとかコウモリとか隣の囚人とか、独房の悲惨さの描き方も良いのですが、ドガの名前を言いそうになっても思いとどまったというこのシーンによってこの映画が友情物語となり、長く愛される映画になったのだと思います。
原作とは違って来たと思いますが。

あと、私が好きなシーンは、パピヨンにとっての最後の「牢獄」になる断崖絶壁で囲まれた孤島でのドガとのシーンです。この島のシーンは全部いいけど、特に、2人分の脱出の準備を済ませて波の様子を観察していたパピヨンがドガの家に行き「行くぞ」というとドガが「ああ、それなら人参を収穫しなくっちゃ」というのです。いいなあドガ、っていうかダスティンホフマンいいわあ。そしていざ飛び込む段になって、ドガはパピヨンに「実は行けないんだ」と言い、パピは「知ってたさ」という。ううーーー、もう泣いちゃいますよね。

自伝を基に作った映画なので、最初から最後までスティーブマックイーンが出ずっぱり。マックイーンのファンにはたまりません。
パピヨンの破天荒さや行動力や精神力に目を奪われますが、今回久しぶりに観て、ドガはパピヨンをどう思っていたのかなあとか、どうやって監獄の中で出世していったのかなあとか、ドガ目線の映画があったらいいのにと思いました。

でも確か、原作ではドガはこんな重要な役どころではなく、友情はたいして描かれてなかったような気がします。原作本も持っているのですが30年以上前に読んだきりで忘れました。近いうちに読み返したいな。
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