マツモトタクシー

東京画のマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

東京画(1985年製作の映画)
4.0
子供の頃、深夜にTVでやっていたけど何かつまらなくて寝てしまった😅💦
若気の至りってやつですね😁


小津安次郎を敬愛するヴィム・ヴェンダースが東京を訪ねて小津ゆかりの笠智衆、撮影監督の厚田雄春にインタビューしお墓参りをしながら当時の東京の様子を映したドキュメンタリー
作品の前後には「東京物語」が流れます🎬
配給がフランスなのでドイツ語ではなくフランス語なのだとか🇩🇪🇫🇷



冒頭から
小津の映画は常に最小限の方法をもって同じような人々の同じ物語を同じ街、東京を舞台に物語る
最も日本的だが国境を超え理解される
私は彼の映画に世界中の全ての家族を見る
私の父を母を弟を私自身を見る
映画の本質、映画の意味そのものにこれ程近い映画は後にも先にも無いと思う
ヴェンダースの小津愛半端ない☺️

ヴェンダースがタモリ倶楽部、タケノコ族を観ていたんだなと😁
笠智衆さんが謙遜しながら質問に答え一緒に墓参りに人柄が出ている

小津監督のお墓には無の一文字
戦争に従軍された経験を持つ監督がたどり着いた境地なのかな。。

撮影監督の厚田さんのラストに見せる涙
男は泣かない世代の流す涙はぐっときますね💧



山田洋次監督の話で若い頃は保守的に感じ似た作品が多い小津作品を内心バカにしていたそうだが自身が男はつらいよを重ねて幾く毎に監督の偉大さに気付かされたという

笠智衆さんは実家のお寺を継ぐのが嫌で熊本県を飛び出して役者になるが大部屋俳優で鳴かず飛ばずの超大根役者として陰口を叩かれていたそう

小津監督に見出だされて主役にまで抜擢されるようになる
監督も自身の演技を出してくる役者よりも笠智衆さんのように監督色に染まってくれるのを好んだのかも知れない

笠智衆さんは後に男はつらいよの帝釈天の住職役、御前様になるのも縁を感じます😃



先代林屋三平師匠の残した言葉でこういうのがある
「あんたの話、同じギャグばっかりだね、マンネリだね」
「ははは、そうですね、でもねマンネリだけどずーと続けていくと何ていうか知ってます?」
「さぁ?」
「クラシックっていうですよ」