高柳総一郎

極道の妻(おんな)たち 赤い殺意の高柳総一郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

阪神淡路大震災で天涯孤独の身となった由紀は、運送会社を営む俊之とひっそりと二人でグアムで式を挙げる。俊之の父親は大阪で幅を利かせる極道組織・高須組の組長であったためだ。
 そんな中、その高須組長が殺され、跡目問題が持ち上がる。跡目候補である若頭の田所は自ら身を引き、なんと俊之を推すが、舎弟頭の戸田や根元達幹部はそれを疑問視し、自らが跡目にならんと奸計を図るが──
 疲れたときには極妻が見たくなる。虐げられた女の怒りが、外道を撃ち抜くのは最高のエンタメになるからだ。
 今回はかなり近代に近い作品だけど、土台として阪神淡路大震災があるので、戦後の極道たちのような味があるのが良い。
 この時代は暴対法が浸透しているけれど徹底的な暴力団の締め出しはまだで、総会屋とかもまだ機能していた時代だけあって、極道が金あってロマンある時代だったのだなあ、というファンタジーを見るような感想。
 面白かったです。
高柳総一郎

高柳総一郎