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武士の一分(いちぶん)のyawaraのレビュー・感想・評価

武士の一分(いちぶん)(2006年製作の映画)
4.0
ひとりの武士の苦しみと信念を描く。

不義には対立を貫く生き方は、上司に対しても例外でない。その生き方は不器用でありながら、美学を感じさせる。木村拓哉は最高のキャスティングでなかろうか。愛の物語とは読み取れなかったので、「命をかけて守りたい愛がある」とのキャッチコピーには疑問が残りました。

物語の見せ場である決闘の相手は一流の剣客。勝ち目は薄く、しかし自身の信念のために臨んでいく姿に痺れる。
目が見えず足元も危ういのに、鬼気迫る剣技が最高に美しい。もっと木村拓哉の殺陣が見たいと感じて、心地よい物足りなさがある。

色調や人の動きを抑えて作り出したビジュアル、ほぼ生活音で構成された音響が日本の伝統や価値観を徹底して描き出している。

静かで洗練された、絵画のような作品。
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