サンタフェ

武士の一分(いちぶん)のサンタフェのレビュー・感想・評価

武士の一分(いちぶん)(2006年製作の映画)
3.8
2023年は邦画も観たい⑥

邦画の名作を履修していきたいと思いつつ全くどの作品が名作なのか作品を探しづらすぎて自分でFilmarksの統計からオールタイム100選を作ってしまいました!(宣伝)
https://note.com/santafe______/n/n0eea2c226cdf

もうちょっとじんわりヒューマンドラマ系の作品かと思っていたのですが、思ったより壮絶でザ・武士の精神って感じの作品でした。

ちょっと前に観たこともあり「めちゃくちゃ最後の決闘裁判じゃん」となりました。とはいえ、あちらのように露悪的な感じもなく、物語としてはわりと普通に好きでした。逆にやっぱり私は最後の決闘裁判みたいなアプローチの作品がめちゃくちゃ嫌いなんだなということを再確認しました。

当たり前ですが現代の価値観では完全にアウトなんですが、現代ではないのでそれはそう。主人公の行動としても、檀れいを途中で追い出してしまうのが(最後の展開ありきとはいえ)ないわ〜となったくらいで、物語全体としては「武士ですな〜」と普通に楽しめました。

本作のような昔の美学を伝える作品、そもそも「当時の美学はこんなんだったんだ〜」という文化保存的な価値がありますし、この作品を観て感動したからといって「明日から嫌いなやつと果し合いをして腕切るぞ!」とはなんないですからね。

最近のハリウッドって最後の決闘裁判のように昔の事件や慣習を引っ張り出してきてやたら露悪的に描き現代の倫理観で糾弾するみたいな作品ばっかですが、本作のようなアプローチの方が圧倒的に健全だよなとなってしまいました。

最後の決闘裁判 レビュー
https://filmarks.com/movies/98251/reviews/145602834

一方でエンタメとして観た時には思ったよりもかなり狭い範囲で物語が展開される上に中盤で少し中弛みを感じてしまったのが残念でした。稽古を重ねるあたりからギアが上がって面白かったです。緒形拳が格好よかった。キムタクの盲目演技も素晴らしかったです。
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