この手の渋い作品、好みなんですよね。観れば観るほど味に深みの出るような作品。
ハーヴェイ・カイテル演じるオーギーの煙草屋を軸に、いくつかのちょっとした小話が絡み合って、じわっとくるんです。
まるでそれぞれが煙草に火をつけ、煙が交わり、やがて吸い終わり帰っていくように、物語は淡々と進み、淡々と絡み、淡々と解ける。そして何でもないように映画が終わる。嘘も真実も辛い事も幸せな事も全て飲み込んで。
「人生は要約できない。取るに足らないことの積み重ねで人生が出来上がってる。」
オーギーを見ていると、好きな小説の言葉を思い出しました。
雰囲気も音楽も、終わり方も、とっても味のある、いい作品です。
さて最後に。
この映画、スモークというだけあって禁煙中の方(元喫煙者の私含む、笑)にはなかなか辛いものもあります…是非シラフでの鑑賞をオススメします、笑。