第二次世界大戦中の輸送艦「バケツ号」が舞台。士官のロバーツ(ヘンリー・フォンダ)は戦闘艦への異動を希望していたが、専制的な艦長に阻まれ、乗組員たちも艦長に不満を募らせていた。
戦争コメディというジャンルの中で、「M★A★S★H マッシュ」ほどブラックではないが、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」のようなおバカな映画ではない。
良く言えばお行儀がいいのだが、コメディとしては中途半端だった。
そして、終盤は急に人間ドラマの色を帯びていく。せっかくジョン・フォード監督でヘンリー・フォンダが出ているのだから、しっかりと人間ドラマを作った方が良かったのではないかと思ってしまった。
そもそもヘンリー・フォンダがコメディっていうのが違和感があった。
最終的には戦争の無残さを描いているが、内容としてはあまりに酷い上司を持った中間管理職の苦悩といったところで大共感させてくれる。
ジャック・レモンのコメディもあって、悩むヘンリー・フォンダが艦長の鼻をあかして乗組員の人望を取り戻すあたりは面白かった。
大好きなジャック・レモンはこの映画でアカデミー助演男優賞を獲得しているが、「アパートの鍵貸します」「チャイナ・シンドローム」「ミッシング」「マカロニ」などなど、もっといい映画がいっぱいあるので、ぜひ観て欲しい。