「ダークナイト・トリロジー」第2作。
前作ではバットマンの誕生と、犯罪都市・ゴッサムシティにバットマンがヒーローとして君臨するまでの経緯を描いた。
本作では、バットマン永遠のライバル・ジョーカーと、これまたシリーズの看板ヴィランであるトゥーフェイスとのハードな戦いを描いている。
✏️夜明け前が一番暗い
久しぶりに映画を見終わった後、天を仰ぎました。面白すぎて。
ノーラン監督、やっぱアンタ天才か…?
どうやったらそこそこ長い2時間半という時間をこんなにもあっという間に感じさせてくれるんだい…?
前作から引き続き、映画前半~中盤にかけては後半の展開をより盛り上げるための「下地作り」に徹する。
並の映画ならこの下地作りが退屈に感じてしまい評価を落とす原因となるが、本作はそうはなっていないのがスゴい。
そして中盤以降。
ジョーカーが登場してからというもの、物語のスピード感とハラハラ感がグンと増し、画面に釘付けになる。
「次に何が起こるか分からない、彼が何をしでかすか分からない」
ジョーカーと戦うバットマンやゴッサム市警の面々だけでなく、見ているこちら側にもそのような「不安」を胸に抱かせる。
まるで自分も作品世界の住人であるような一体感を感じられる映像体験はそうあるものではない。
しかしやはり、ジョーカーはスゴいヴィランだ。
ブランドは違うが、マーベル・コミックにはサノスや征服者カーンといった、人知を凌駕する圧倒的な力や特殊能力を持つヴィランが存在する。
彼らの圧倒的な力も当然強いし恐ろしいが、彼らの強さとは「分かりやすい」強さであり、少年漫画的な清々しい強さともいえる。
対してジョーカーはどうだろう。
分厚いコンクリートの壁をぶっ壊すパンチを放てるわけではないし、バットマンのように空を飛べるわけでもない。
だが彼は確実に、バットマンのみならずゴッサムシティ全体を文字通り混乱の渦に巻き込み、自らの「ゲーム」の参加者に仕立て上げて見せた。
特別な力を使わず、己の知恵と策略のみで一つの街を揺るがすほどの大事件を起こせる---
後年ホアキン・フェニックス主演『ジョーカー』で描かれたように、誰にでもこの「ジョーカー」になることはできるし、その可能性を秘めている。
自分が住んでいる街にも「彼」のような存在がいるかもしれない…
そんなサイコで狂った気持ちの悪さを持つ、でもどこか魅力があふれるヴィランはジョーカーただ一人だと改めて思った。
☑️まとめ
レイチェル役の俳優さんがしれっと変更されていたこと、あとレイチェルがスパイダーマンのMJの如く男のとっかえひっかえをすること以外を除けば、ほぼ満点に近い作品。
ちなみに、本作でジョーカーを好演したヒース・レジャーは本作公開年に不慮の事故によりこの世を去っている。
なんとも惜しい人を亡くしてしまった…
<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★★
🏃♂️テンポ:★★★★★
🎬2023年鑑賞数:29(8)
※カッコ内は劇場鑑賞数