安堵霊タラコフスキー

ダークナイトの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0
明日22日で名優ヒース・レジャーが亡くなり早くも10年が経つということで、誰もが認める彼のベストパフォーマンスが見られるこの作品について書く。

この作品はヒートをリスペクトした冒頭のイカれた強盗シーンからバスター・キートンの如く大胆に物を破壊する演出等も勿論素晴らしすぎるのだけど、傑作足らしめているのはやはりヒース・レジャー演じるジョーカーの存在だろう。

波止場のマーロン・ブランドや狼たちの午後のアル・パチーノ、レイジングブルのロバート・デ・ニーロのように映画史において輝き続ける熱演というものはいくつかあるが、この作品のヒース・レジャーの鬼気迫る狂気的ジョーカーも同様に映画史に遺る名パフォーマンスとなっていて、彼の常軌を逸した演技を眺めているだけで時間があっという間に過ぎてしまうし何度見ても飽きない。

彼が今日まで存命だったらどれだけの名演技を披露していたかと思うと実に残念ではあるが、亡くなる前にこの映画で伝説的な演技が遺せたのは不幸中の幸いだろう。