こうだい

ダークナイトのこうだいのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0
『ダークナイトトリロジー』シリーズ第2弾!

最初の5分間で引き付けられる、衝撃的なオープニング。ピエロの仮面をかぶった集団による銀行強盗のシーンは緊迫感に溢れ、また仲間同士で殺しあう描写から映画全体の重さが早々に伝わってくる。なによりヒース・レジャー演じる、コミック史上最も人気のある悪役、ジョーカーの怪演こそが今作の見どころ。バットマンの信念を揺るがそうとするジョーカーの狂気は画面に釘付けになる。暗くリアルな世界観にジョーカーは驚くほどハマっている。

【印象的な言葉】
「世の中にはお金や理屈では片付かない相手も居ます。そんな相手には、買収も説得も交渉も不可能です」

【名言】
「真実がいつも最善とは限らない。もっと大事な物もある。信じた事が報われる、時にはそれが大切だ」

無駄なシーンが一切無く、セリフの一つ一つに深みを感じられる。

ジョーカーだけで無く、バットマン、フォックス、アルフレッド、デントの演技も素晴らしい。セリフの無い、表情から伝わってくる感情には胸を打たれる。また、各々にしっかりと見せ場があるというのも良い所。

最先端テクノロジーを駆使して戦うアクションも見応えがある。前作よりも観やすいカメラワークで、バットポッド(オートバイ型脱出用ユニット)やスカイフック(着陸せずに飛行機で移動する方法)など新要素も有り、飽きさせない。

秩序とカオス、法に沿った警察と自警、そして正義と復讐といった二項対立がテーマの根本にあり、真の"正義"とは何かを描いている。タイトルの通り、ダークでリアルな世界観だからこそ、ストーリーに物凄い深みが生じている。そして脚本が本当に素晴らしい。終盤の大型フェリーの決断や、音楽に至る細部まで二項対立が一貫して描かれており、考え抜かれた脚本であると分かる。今作は明らかに他のヒーロー映画と一線を画す名作である!
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