あしからず

女ばかりの夜のあしからずのレビュー・感想・評価

女ばかりの夜(1961年製作の映画)
4.2
売春防止法制定後、道に迷う女たちの更生を阻む人々の残酷に抗う原知佐子のストイックさに脱帽。「夜の女たち」で運命に翻弄される娼婦を演じた後、今度は娼婦を撮る側にまわった田中絹代の、厳しくも庇護に溢れた視線を感じる。同情でもなく擁護でもない、女性たちへの強い奮起であり期待であり慈愛。
社会批判と非道な男性の批判に留まらず女たち自身の在り方にも言及する多面的で冷静な姿勢がすばらし。一見コメディリリーフな浪花千栄子の悲劇。ラストが本当にいい。
あしからず

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