kazu1961

黄金の腕のkazu1961のレビュー・感想・評価

黄金の腕(1955年製作の映画)
3.7
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-349 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-557

🖋オープニングから流れるジャズナンバー“Frankie Machine”、聴き覚えのあるこのテーマソングがぐいぐいとストーリーの中に引き摺り込んでいってくれます。当時ヘイズコードの対象でもあった「麻薬」をテーマにしたこと、タブー視されていた「麻薬中毒患者」主人公に置いたこと、そして白人のジャズを映画に取り入れたことで、話題になったオットー・プレミンジャー監督の問題作、プレミンジャーは本作でさらにハリウッドの問題児と言われるようになったんですね。

🖋見どころとなる幾つかのポイント。1番印象的なのは前述の“Frankie Machine”を含め、全編に流れるバーンスタインのパワフルなスコア、モダンジャズが圧巻。そしてプレミンジャーならではの縦横無尽なカメラワークがとても素晴らしい。舞台装置としては主に妻ゾシュと住む主人公フランキーの部屋、酒場、麻薬売人の部屋、カードをする賭博場、そしてモリーの部屋。この閉ざされた空間をどのようにして撮影したのか、縦横無尽にカメラが動き回るのはやはり圧巻です。

🖋俳優陣の演技も素晴らしく、麻薬中毒者に扮するシナトラの、禁断症状に苦しむ迫真の演技が評判となりました。個人的にはまだ22歳と若いキム・ノヴァックの落ち着いた存在感と美貌に目を奪われました。クライマックスはある程度の予測はできましたが、完成度の高い作品だと思います。

😮‍💨Story:(参考: allcinema)
“黄金の腕”とあだ名されるカードの名手フランキーは、六ヶ月の療養所生活を終え、古巣の町に戻った。アパートには車椅子生活の妻ゾシュ(E・パーカー)が待っていた。夫の飲酒運転の結果そうなったが、実は既に治っており、彼が自分から離れないよう不具のフリをしているのだ。フランキーは博奕打の暮らしに戻りたくはなく、施設で持ち前のリズム感を生かしドラムの修行を受けていたが、妻にとってディーラーの彼こそがよき稼ぎ手で、そのため再び麻薬に手を出すことも厭わない気配。売人のルイは影のようにつきまとう。そんな彼を親身に心配してくれるのは、酒場のホステス、モリー(ノヴァク)だけだった。その彼女にも今はヤクザな別の男が。やがて、フランキーにオーディションの口がかかる。恋人の目を盗んで練習に部屋を提供してくれたモリーの期待に背き、腐れ縁から受けた賭博が長丁場になり、その間、麻薬を打ち続けたフランキーは完全なジャンキーとなって、楽団入りのチャンスを逃してしまう……。

🔸Database🔸
・邦題 :『黄金の腕』
・原題 :『The Man with The Golden Arm』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1955
・日本公開 : 1956/05/29
・上映時間 : 119分
・受賞 : ※※※
・監督 : オットー・プレミンジャー
・脚本 : ウォルター・ニューマン、ルイス・メルツァー、ベン・ヘクト
・原作 : ネルソン・オルグレン
・撮影 : サム・リーヴィット
・音楽 : エルマー・バーンスタイン
・出演 : フランク・シナトラ、エリノア・パーカー、キム・ノヴァク

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
原作は1949年にアメリカで発刊された、ネルソン・アルグレンの麻薬を扱ったもの。脚本は「ゴールデン・ボーイ」以来のルイス・メルツァー、「海底の黄金」のウォルター・ニューマンが共同で担当。撮影は「スタア誕生(1954)」のサム・リーヴィット。主演者は「野郎どもと女たち」のフランク・シナトラ、「渡るべき多くの河」のエリナ・パーカー、「ピクニック」のキム・ノヴァク、ゲスト出演で知られるアーノルド・スタング、「旅情」のダレン・マックギャヴィン、ロバート・ストラウス等。
kazu1961

kazu1961