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子供たちの王様のtakのレビュー・感想・評価

子供たちの王様(1987年製作の映画)
3.8
文化大革命の後、労働者から教師となった主人公。赴任した貧しい村の子供たちは、教科書もない。ただ教師の言葉を丸のみし、板書を写すだけで、何も身についていない子供たちの現実に、彼は自分なりのやり方を見出していく。その方法は子供たちの心を掴み始めるのだが、それは国家が決めた指導の方法や内容と異なるものになっていく。

写すという行為が、思想や意味を何の疑いもなく受け入れることだとこの映画は説いているように思う。国家の思想統一を背景にしているが、どこの国でもあり得る管理社会の怖さでもある。

教えるってどうあるべきなのか。学ぶ者は知識をどう活かすべきなのか。結論を受け入れるだけでなく、その過程を知る大切さとは。チェン・カイコー監督の強いメッセージが響く映画。
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