とうがらし

アレクサンダー大王のとうがらしのレビュー・感想・評価

アレクサンダー大王(1980年製作の映画)
3.4
1980年ヴェネチア国際映画祭 審査員特別賞 受賞作

19世紀最後の夜が終わり、20世紀の夜明けに、ある山賊が現れる。
彼はアレクサンダー大王と祭り上げられるも、不満を抱く部下が、民の羊を見せしめに殺し、徐々に民心が離れる。
追い詰められた彼の蛮行する様が描かれるギリシャ歴史絵巻。

山賊の登場と消失、そして、敵が見えない馬に怯えるシーンは素晴らしい。
多くのエキストラを動員し、引き画で持たす耐力に終始圧倒させられる。

ただ、不要なカメラ回しが多く、演劇色が強い。
テオ・アンゲロプロス監督は当時、精神に自己の哲学が備わってくる血気盛んな40代中盤。
後年の作品に比べて、政治思想が露骨に表現されていて苦手。
でも、好き嫌いの尺度で語る者に有無を言わせない映像構成力のある作品。
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